時間について

時間、といっても、常にだれにとっても平等に流れている、いわゆる「時間」とは異なる感覚で、クリーン言語では使います。どのような使い方をするのでしょうか?

 

そこで、最近の練習会で「時間を取ってみる」という質問にチャレンジしてみた学びを、本日は書いてみます。他にも「時間」の使い方はあるのですが、今回はクリーン言語の通常のセッションでの使用例を学びとしてご紹介したいと思います。

 

われわれ「ねこのみみすと」の練習会において、実際に経験させて頂いたセッションを例にしています。練習会といっても、その時にその人が抱えている実際のテーマを取り扱います。今回、セッションさせて頂いた方から、一部お言葉をお借りする許可を頂きました。ありがとうございます。

 

 

紹介したいと思った今回のセッションでは、2回、「時間を取る」質問をするタイミングがありました。まず開始から20分ほど経った頃、メタファー(今回は水まんじゅう)の願望を聞いたところ、「体中からエネルギーを蓄えて、みずみずしくなる必要がある」という返答がありました。そこで、すぐに次の質問を繰り出さず、この「時間を取る」質問をしてみることにしました。

 

「みずみずしくなる時間を十分に取ってみましょう。そしてみずみずしくなる時間を十分にとると、次に何が起きますか?」

最初の一言はゆっくりめに、「十分に」を気にならない程度に少し強調し、次の言葉との間をそれこそ十分に取りました。

 

すると、そのメタファーはどんどん変化していきました。最終的にはその方がその中で十分な充電の時間を取ることに繋がりました。時間を取らずに進めた場合との比較はできませんが、後ほど感想をお伺いすると、充電することで得た「穏やかな感じ」を、しっかりと体感なさったようです。

 

次のタイミングは、セッションの終盤においてでした。

メタファーが変化し、ジェネラルクエスチョンと言われる質問、「どのような違いがあるでしょうか?」という質問したときです。

 

「頭の中には広い空間が広がっている。何もないけど、安らぐ空間。」

 

この、「広い空間、安らぐ空間」の時間を十分に取っていただきました。すると、その時間を取っている間に、今度はメタファーの変化ではありませんが、ご自身に関するさまざまな気づきを得たようです。

 

 

クリーン言語のセッションにおいて「時間を取る」のは、「何分間、時間を与えますから、考えてください、感じてください」ということではなく、その意味合いは、変化を急かさないこと、ということにあるように思われます。そして「時間を取る」ことは、その変化をクリーンに保つために有効であり、メタファーの物語とそれを口になさるクライアントさんにとって十分に体感するスペースを設けることができるのではないかと思います。

 

クリーン言語自体、目標をコーチ/ガイド/ファシリテーター側が設定せず、少しづつ進むことに特徴がありますが、まさにこの「時間を取る」という言葉は、メタファーとその物語をより豊かにし、具体的に体感する時間を与える有効なもののひとつではないかと考えています。

 

今後もこのチャレンジを続けていきたいと思いますし、私自身が「時間を取る」体験をしたときの感覚も、近いうちにシェアできたらと思います。

 

今回の学びは、クリーン言語の学習を進める方にとっても何等かのお役に立てばうれしいですし、クリーン言語のセッションを体験したことがない方にも、興味を持って頂ければ幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。