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セッション開始前のanother effort

良いセッションになるかどうかは、お話の中でも何を取り上げるかによって違ってくると個人的に考えていて、本当に毎回反省ばかりで進歩ないのではないかと悲しくなります。

 

「何が起こってほしいでしょうか」このような投げかけで、クリーン言語のセッションを始めます。そこからクライアントの方の願いや悩みが語られることになるわけですが、そのまま言葉を変えずにリピート(これもなかなか難しい)していくなかで、どの「言葉」を「拾って」、どのような「質問」を投げかけるかが、セッションを決めるまさに第一の関門。イメージとしては今浮かんだのは「ふるい」。あの、川底の砂をすくって砂金を見つけるときに使うヤツです。砂金取りをしたことはないですが。

 

先日のねこみみたちの勉強会にて、セッションのテーマを絞り込むエクササイズに取組みました私にとってはいつもの進め方でも精一杯ですので、ぎこちなさも多分に感じながら練習をしたところ、クライアントにとってもファシリテーターにとっても利益のある場面があると感じました。

 

「何が起こってほしいでしょうか」クリーン言語では通常の会話やコーチングセッションとは少し異なる質問の仕方をします。その際、例えば、「~~になりたい」など、今手にしていない望みを語られるときは、そうでないことをどのようにわかるか、という認識論の質問を投げかけたり、「悲しい気持ちを何とかしたい」などの特定の感情の場合はその感情の場所を聞いていったりします。ところが、こうした特定の感情や思考以外の回答をなさる場合も、特にクリーン言語の質問やその考え方に慣れていない方にはまま見受けられます。それは当然のことなので、クリーン言語のセッションにご興味を持たれた方にはあらかじめ少し説明を差し上げるわけです。

 

今回は、焦点がずれたままセッションが進むことを予防するために、オプションとしてひと手間かけ、より核心に迫ったテーマを見つけようという練習でした。そういえば、先日美味しいカレーのこつとして、市販のルーをブレンドしてみる、というひと手間を知り、早速実践したところ、いつもとは一味違った仕上がりになりました。ルーのブレンドがひと手間になるかは置いておいて、クライアントさん自身が変えたいと思う反応、思考、行動は何か、今一歩踏み込んでクライアントさんが本当に変えたいと望んでいるのは何か、そしてそれが明確になったら、それを取り扱うことに合意をとってみるのもよいかもしれません。

 

クリーン言語のセッションはすこしずつ丁寧に進んでいきます。その開始前のひと手間が、セッションにおいてメタファーの物語が丁寧に紡がれるときに、役に立つ可能性もあると感じたエクササイズでした。